欲しいの。もっと欲しいの…

忙しすぎて現実逃避に走ったりする事がありませんか?
夜は自宅で色々とPCをいじり倒して仕事をしているのですが、ときに現実逃避に走っています。
もっと時間が欲しいはずなのに、何故か無駄な時間を過ごしている。
ちょっとやばい状態のなまちゃんです。
というわけで、現実逃避中に書いた駄文を久々に。
正直、読まなくても良いです。
写真?何言ってるの。

俺のオートバイ彼女の峠】(元ネタ判る?)
午前中空を覆って重苦しかった曇が、俺が仕事を切り上げる時間にはちょうど良い具合に風に流され、西の方から青い空が広がってきた。
真冬の空は夏のそれとは違い、青空と言っても高く、色も全く異なって見える。
そう、空を見上げる事なんて殆ど無いほどに忙しい日々を送っていた。
ストレスの多くってのは、好きな事をする時間がないとか、ゆっくり眠る時間がないとか、要するに時間があれば全て解決する事ばかりだ。
もう少し金持ちに生まれていれば、ここまであくせくする事もなかったのかもしれない。
平日の昼間だが、やっと自分の時間が出来た。
自宅に戻り睡眠をめいっぱい取るか、好きな事に費やす時間にするか。
迷いはしなかった。
自宅に戻り寒さに耐えられる服装に着替えることにした。
どんな服装が良いか、あれこれ考えながらシャワーで目を覚まし直す。
いや、午前中は仕事をしていたのだから目が覚めていない訳ではない。
何というかスイッチを切り替えるみたいなものだ。
格好悪いが誰に見せるわけでもない、長年使用して体にピッタリなVansonの半艶が鈍く輝くレザーパンツの下はヒートテックを履きこもう。
上着も革で決めるのだが、その中にモコモコと着込むのはいただけない。体の動きをスポイルしてしまうからだ。出来れば革の上にもう一枚羽織るのが良い。
真っ黒なロングTシャツの上にシングルのライダースジャケット、その上から裏地がしっかり防寒仕様のウィンドブレーカーを羽織る。
体が動かなくては危険を伴う。
軽いストレッチをしたあと、はき慣れたブーツに足を通す。
いつもはエレベータで降りるのだが、何故か走るときだけは非常階段を利用している。
ヘッドギアを左手に持ったまま、出口の少し重い鉄の扉を開ける。
目の前は暫くかまってやれなかった相棒が眠る駐輪場だ。
相棒は、一番奥で俺が来るのを少しホコリをかぶって待ちわびている。
「久しぶり」
小さく呟くとハンドルロックを外し、駐輪場から表に引きずり出す。
陽の当たる場所にこいつを引きずり出すのはどのくらいぶりだろう。
ご機嫌はどうかな?
ガスは十分に入っているはずだ。一応タンクの中をチェック。
1度こいつに跨り、デコンプレバーを握りしめたまま2・3度軽い空キックでオイルを回したあと、レバーを離しキックをゆっくり踏みしめながら上死点を探る。一番重いところからワンノッチ踏み下ろし、ペダルを上まで戻す。
一気に踏み込むと一発で相棒のエンジンは目覚めた。
ご機嫌は悪くない
サイドスタンドを立て、暖機をしながら、灯火類とブレーキのチェック。
そのあとは1度降りて、少し離れたところから相棒の姿を見てみる。
ん~、やっぱり格好いいぜ。
などと一人に焼けているところへ、マンションの住人が声をかけてくる。
にやけた顔を見られたのが気恥ずかしい
寒いのにこんなものに乗るなんて酔狂なことだと思っているのだろう。
もちろん自分でもそう思っている。
いいんだ。普段はつまんない事に時間を費やしているんだ。
他人から見たら"ものすごくつまらない事に時間を費やす"のも悪くないだろう。
バイク乗りなんてのは解かんない人には解って貰う必要は無い。
ましてやキックしか着いていない古くさいバイクを好んで乗るなんてのは、同じバイク乗りの中でも解らない奴の方が多いだろう・・・
ヘッドギアを被ると頬を締め付けられ、身体のスイッチがONになったのが判る。
暫く使っていなかったからだろうか、革のグローブは少し硬さを感じるが、なぁに、すぐに馴染むだろう。
相棒にまたがり、サイドスタンドをはらう。
両足を地面に着けたまま、上半身を左右にねじり、その後はもう一度グローブに滑り込ませた指を握ったり開いたり…
さて、行くか。
マンションの敷地内をソロソロと抜ける間に、ゆっくりと右足、次に左足、斜め下に向けて蹴りを入れる様に振り出す。
レザーパンツは膝の裏にしわが寄ってしまうので、こいつをしておかないと鬱血してしまう。
身体を目覚めさせてから、服装、それに走る気、と準備は整った。
あとは相棒にムチを入れるだけだ。
油温も上がってきた。"もう大丈夫だぜ"と言われた気がした。
どこに行こうか。
海か、山か、バイクで行く先なんてそのどちらかに決まっている。
続く。
ええと、フィクションです。片岡義男リスペクトオマージュコピー作品。
つうか、書き出したら止まらなくて、。
でも長くなっちゃったので、駄文の続きはそのうちネタがないときに載せることにします。




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欲しいの。もっと欲しいの…” に対して1件のコメントがあります。

  1. なら より:

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    初めまして
    僕にとっては素敵な駄文でした
    自分がSRに乗り出す時と重なり合い 良い時間を過ごさせていただきました
    (●´ω`●)ゞエヘヘ

  2. nama より:

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    >ならさん
    あ、ありがとうございます。誉めても何も出ませんが…

  3. かがみん より:

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    一人走り出す前の感じ、みんな一緒だね!
    前にランニングに出かけたが途中で○ンコしたくなった時の心境をこんな感じで書いたことがある(爆)

  4. nama より:

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    >かがみんさん
    え?!オイラこんなカッコ良くないよ。
    ボロいエンジンは、空キック20回はいるし、一発でかかったことなんてほとんど無い。
    唯一の共通点は、自分のバイクに見惚れる事かな。
    フィクションだもん。

  5. JUN より:

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    フィクションっぷりに感動しました。。イイですねぇ!エンジン掛けてしばらく見惚れるところはすごく分かります。。まぁ、ウチも空キック多数、10発始動なんてザラですがww

  6. nama より:

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    >JUNさん
    そこ食いつきましたか<見惚れる
    ノーマルならすぐかかるんでしょうねぇ…

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